親子関係は他人同士とは違い、遠慮の少ない近さのせいか、つかず離れずの適度な距離を保ちにくい難しさがあります。
子育てにおいては、各家庭に任されている面も多く、他人が介入しずらく、自分たち親子の関係性を客観的に見る機会はあまりないですよね。
そのため自分たちの関係性が健全なものなのか、そうでないのか判断しずらい部分もあり、子どもがある程度の年齢に達し、何かしらの問題を抱えることで気づくこともあれば、そのまま気づかず、原因がわからぬまま人間関係のトラブルを繰り返すといった不調和で、悩み続けることも少なくありません。
友達親子が行き過ぎると共依存になる
友達親子といって、親と子が友達に接するかのように悩みを相談し合ったり、同じ洋服を買ったりと、対等な立場で仲良くすることを指した言葉があります。
ここ最近はSNSなどにより、友達のような仲の良い親子を目にすることも多く、以前のような親が権威をもって毅然と接する関係が存在しないのが、近頃の親子関係なのかもしれません。
親子が仲良くするのは良いことだと思いますが、限度を超えいきすぎると、共依存といって互いが互いに依存しあってしまう関係性に発展することがあります。
例えば母親が、子どもを育てることだけを生きがいとしていた場合、自立しようとするわが子が自分の元を去っていこうとしたとき、母親は自身の存在価値を見いだせなくなることを恐れ、自分が居ないと娘(息子)は何もできない、何も決められないから・・・といって、離れることを許すまいとコントロールし、支配しようとします。
母親は無意識下で行っていたとしても、こういった親に育てられた子どもは、とても依存心の強い人になります。
大人になってからも、常に他人を頼り自らの意志で決めることができない優柔不断で、意志の弱い精神的に自立できないといった弊害が起きてくるのです。
共依存のやっかいなところは、親子関係だけのパターンに留まらず、子どもの恋愛や結婚後の夫婦関係といった、他者との関係まで及んでしまうことがあります。
共依存は自覚のない場合が多く、上手くいかない人間関係の繰り返しで、自尊心が深く傷ついてしまうこともあります。
お互いが自立すること
親子関係に、これが正しいといった正解が存在するわけではありませんが、互いが自立した関係を目指すことは、子どもの精神的成長やのちに築く人間関係を考えればとても大切なことです。
時には過保護になってしまうことも、あるかもしれません。
それは本当に子どものためになることなのか、コントロールしたいためでないのか、深く考えてみることも必要です。
子どもに接する感情の裏に支配したい、コントロールしたい、そんな気持ちに気付いたなら、今が変わる時なのかもしれません。
将来のわが子の幸せのためにももちろん、自分の幸せのためにもお互いが自立し、尊重し合える関係を築いていくことができたら、素敵な親子関係でいられますよね。