資産運用では「複利」という考え方がとても重要になります。複利効果とは、「元本+利息」を合わせて、長期運用し続けることです。
仮に、銀行に100万円貯金します。1年の金利が3%だとして、1年後、「元金100万+利息3万=103万円」になります。次の運用で、3万の利息を受け取らずに元金に組み入れ、103万円として運用するというように、利息を元金に組み入れ、長期運用を続けていくことで、資産が増えていく仕組みです。
この複利効果を得るには、とにかく早くスタートさせ、長く続けることです。長く継続するほど、効果を発揮するのです。
これは資産運用に限らず、人生で何か成し遂げたいことがあるのなら、行動の「継続」は必須になり、最初は足し算しか使えなかったものが、ある一定のしきい値を超えると、掛け算のような働きになるのです。
足し算にしかならない転職を繰り返した過去
「私=転職」と、いっていいほど転職を繰り返してきました。今でこそ、こうして落ち着いて働いていますが、若いころは幾度となく職を変えてきました。
新卒で、大手金融機関の正社員から始まり、自動車メーカーの車検案内といった派遣、官公庁での嘱託職員、子育て関連のNPO法人、医療系メーカーでの営業事務などなど正社員・派遣・嘱託すべてを経験してきました。
共通点といえば事務職ということだけです。
飽きっぽい性格で、一つのことをコツコツと継続し、極めていくのが苦手で、不安定だと承知の上で、派遣か契約社員か嘱託職員といった、期限付きの仕事をあえて選んでいた時期もありました。
こんなでしたので、私の仕事の経験値は、常に「1+1+1+1…」というように、永遠と足し算を繰り返しているような感じで、一向に掛け算が使えないまま、経験の種類は増えても、積み上がるものがないため、極める域に達することが出来なかったのです。
何かを成し遂げたいなら、掛け算で複利が使えるまで行動する
転職を繰り返してきた理由は、飽きっぽい性格であることと、やりたいことが見つからないので、何が向いているのか、永遠と探し続けていたことの両方があります。
向いていることを探すためなら、平たく色々な職種に携わり、経験値を増やすといった行動は有効かもしれませんが、職を変えるたびに毎回新人さんで、いつまでもスタートラインに立つものばかりを長期に渡りやっていたら、一向に積み上がるものがないため、結果的に何も成し遂げられません。
人生で何か達成したい、極めたい場合、足し算ではなく、掛け算が使えるような行動の仕方、つまり「複利効果」の得られる行動の仕方は必須です。
そのためには、出来るだけ早い段階で成し遂げたいことを見つけ、根気強く掛け算が使えるまで継続し続けることです。
例えば私は、ワードプレスというブログを運営していますが、最初は誰も見てくれませんでした。それでも諦めずに、複利が働くまで根気強く継続して記事を書き続けることで、ある時、急にアクセスしてくれるようになります。
世の中には、多くの発信媒体があり、つい手を広げてTwitterやインスタグラム、ノート、TikTok、スタンドエフエムなど、様々な媒体を試したくなるものですが、集中できないほど多くのものに携わると、「極める」が、出来にくくなります。
初期の段階では、何が向いているのか試すことは必要かもしれませんが、出来れば早くに長く継続できそうなもの、向いているものを見つけ、1つか2つ、多くても3つくらいに絞り、長く続けることがコツです。
私が繰り返した転職のように、極める対象がいつまでも見つからずに、探し続ける時間が長引くほど、スタートが遅れ、継続年数が減っていきます。
もし、極めたいこと、達成したいことがあるのなら、出来る限り早い段階で、関わる種類をしぼり、「複利効果」の働くまで、長く継続することで、達成への道が近づくでしょう。