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過去の辛い経験を、無理にポジティブ転換しなくていい

人生は長く生きていれば、楽しいこともあるけど、辛くて困難と感じる出来事も多く、気持ちの上ではポジティブ思考に切り替えたくとも、繊細な方は特に上手くいかないと悩んでしまうでしょう。

自己啓発系の本には「過去の辛い経験は、自分次第でポジティブなものに変えられる。起きた出来事の解釈はいかようにでもなるから、いつまでもクヨクヨせず、明るく前を向いて生きていこう!」

そんなポジティブキャンペーンのキャッチフレーズのような言葉を目にすると、いつまでも過去を引きずり、落ち込んでいる自分がとてもネガティブで、切り替えが上手くできない人のように思え、辛い気持ちになるものです。

人はつらい経験を、簡単にポジティブ転換できないもの

上司から受けたパワハラが引き金で体調を崩し、耐えに耐えかね退職を余儀なくされたとします。

しばらく療養しながら見つけた次の会社は、周りの同僚や上司はみんな良い人ばかりで、以前の会社よりもはるかに魅力的だった。

こうなった場合、パワハラによって結果的に転職で恵まれた環境を手にしたとしても、自身の解釈次第で受けた行為が一気にポジティブにすり代わるかといったら、そう簡単にはいかないでしょう。

表面上は「辛い経験があったから、今がある」と感じる瞬間もあると思いますが、すぐにパワハラされた事がフラッシュバックし、悔しさがこみ上げてきたり、更には転職できてたおかげで希望の環境を手に入れたし・・と無理にポジティブ転換したところで、自分を苦しめた上司をあっさり許す自分は何なんだろう、と自己嫌悪に陥ることもあるかもしれません。

長い人生経験に起きた出来事の一つ、と思える日が来ればいい

辛かった過去の経験から立ち直るには、出来事をポジティブに捉え直した方がいい。

それは単なる思い込みに過ぎません。

何もかも無理矢理ポジティブな解釈を与えるのは、無理があって苦しくなるだけです。自然な流れで肯定的に思えるならよいでしょう。無理にそうしているなら、傷口に塩を塗るのと同じです。

現状が前よりずっと良くなったとしても、辛い出来事をそう簡単に割り切れないのが人間です。

意図してポジティブに捉えるには、年単位といった多くの時間が必要だったり、カウンセリングを要することもあるでしょう。それでも難しい場合もあるかもしれません。

人生に起こるすべての出来事は、良い面も悪い面もすべてひっくるめての一つの経験に過ぎません。

当時の辛かった経験を思い出さなくなる時間が、少しでも増えればそれだけで十分ではないでしょうか。

いつか当時を振り返ったとき、ポジティブでもなく、ネガティブでもない、何の解釈を与えることもない「長い人生経験に起きた出来事の一つ」と思えるようになる日が来ればそれで良いのです。

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